管理人不在の為にテントを張る事も荷物を降ろす事もできない。
勝ってテントを張ってしまおうか、、。
いやいや、ワイルドなアウトドアとは言え、のちのちトラブルは避けたい。
キャンプはルールがゆるい分だけトラブルが起こりやすいし、家族連れなんかはホテルの宿泊と同じレベルで来ているので権利の主張が激しいやっかいなのも多い。
困った。
今回の旅の最大目的はこのキャンプ場に泊まりたかったので、どうしても成功させたい。
とりあえず荷物だけ少し降ろす。
一度重い荷物だけ持って下の方に降りたが、場所が木枠で区切られていて、全部埋まっていた。
さすが晴天のシルバーウィーク、手強い。。
でも受付の3時まで待ってみないと本当にダメなのかわからない。
あと1時間くらいあるが、待つ事にした。
それになんとなく動きっぱなしだったので、何もしなくていい時間は案外気持ちよかった。
ぼーっと駐車場で周りを見ていると、何やらコンクリートの上でメシを作り出したおじさんがいた。
軽のバンは荷物が所狭しとギュウギュウに詰まっている。
さすが知床、半乞食みたいなやつがいるな。
僕も現在2泊目を試みているわけでそんなに変わらないが、明らかにここでお金を払わず、駐車場で長期滞在しているのがわかる。
さらに彼は他のもう一区画の駐車スペースを自炊セットと椅子で占拠していた。
全体的に言える事は多目に見ても清潔とは言えなかった。
申し訳ないがその風貌からさきほど半乞食と言う不名誉な印象を言わせてもらった。
あれを見てアウトドアはみすぼらしく見えたらレジャーではないなと思った。
テントや周りの道具などもある程度のブランド品で固めた方がいいし、服装もアウトドア系の明るい服の方が全体的なキャンプ場の見た目として美しいと思う。
そしてこういう所だからこそ清潔感は必要だ。
彼の道具は全てが古びていて、繰り返しになるがやっぱり不潔だった。

そんな事をぼんやり思いながらひたすら待って、3時少し前になると受付の窓口で待っていた。
しばらくすると管理人のおじさんが部屋にゆっくり入ってきた。
宿泊の紙に名前、住所、電話番号など記入して登録が終わった。
登録が一人300円、羅臼町専用のゴミ袋100円も買うと全部で400円。
安い。
そして受付が終了したので、どこにテントを張っていいか聞くと、どこでも好きな所でいいと言われた。
ええ〜!?それだったら待っている間に場所をとっておけば良かった。
テントサイトは右のくだった下ステージと左の丘になった上ステージがある。
上ステージってあったのか、わからなかった!
下ステージはさっき見て家族連れで埋まっていたから、慌てて上ステージを見に行く。
やはりほとんど埋まっていたが一番上が空いてた。
最後まで空いてたって事はきっと虫が多いとか、色々ダメポイントが多いのだろう。
荷物を運ぶのがかなり辛かった。
遠いし足下が少しぬかるんで息切れして途中で何度か休むほどだった。
事前にネットで荷物を運ぶのが面倒だと書いてあったから覚悟してたが、一番遠くまで運ぶとは思わなかった。
全部運び終わった時は汗でびっしょりだった。
多分これだな。
なぜここが空いていたか。
まあ、もう運んでしまったんでいいが、帰りも帰りで面倒だな、、。
まあ、明日の事は考えず少し休んでからタープを建てた。
今回は美しくキッチリ建てれた。
このタープをキレイに建てる事にやりがいを感じていた。
右の奥にいたチャリダーは迷惑そうにチラチラこちらを見ていたが、ここは明日まで快適に過ごしたいので一度目線をしばらくチャリダーに向けていたら、ゴソゴソともぐらのようにテントに入って出てこなくなった。
何となく岸壁で一泊してきただけに気持ちも大きくなっていたかも知れない。

テントも建て終え、荷物のセッティングも終わった。
周りからの視界も遮られるのでタープを張るのがやめられなくなった。
大体1時間かかる。
このあとダラダラと家族のキャンパーがくるのだが、区画された所はどこも空いていないので傾斜のある草むらでテントを建て始めた。
やがてそのわずかな草むらステージもほぼ埋まった。
僕の隣の区画が空いていたが、こんな上まで登ってくる人はいなかったし、僕のタープがしっかりと占拠している感じに見えた。
これがテントだけだったら隣に誰か来たかもしれない。
まだ午後の4時だったので今回は時間がありそうだ。
昨日の残った食材でカレーを作る事にした。
ゆっくりイモや人参、玉ねぎを刻んでいると大分落ちついた。
とりあえずここに泊まれて良かった。
場所も後ろに誰かいる訳でないし、気に入った。
突然、ガサガサ!って音が後ろから鳴ったので振り返ると鹿の親子だった。
人に慣れているのか全く逃げる気配がない。
見た目は可愛いが野生である以上、何か危害を加えてくるかもしれない。
あまりこの場所を離れる事ができないなと思った。
何と言ってもここは知床の山奥なんだから。
続きます。
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