今年のR-1グランプリは面白かったです。
優勝のハリウッドザコシショウは見事にハマっていた。
会場全体が確変状態になり、もう何をやってもMAXまで振り切る笑いが起こっていた。
坂上忍がテレビで見ている人はこの感じが伝わっているのかな?と言っていたから、生の会場はすごい空気だったのでしょう。
他は「おいでやす小田」と「マツモトクラブ」が個人的に好きだったが、板尾創路が言っていたように、すごいんだけどこの場でやるネタではないと言うのになるほどと思った。
だったらこのR-1はハイテンション部門にして、緻密な脚本からなるイッセー尾形や小林賢太郎のような知的な笑いは別部門にした方がいいと思ったりもする。
いずれにしても「一人」で見せるのは改めてスゴい。
正直R-1は笑うというより、身一つで勝負している潔さに感心する。
そしてネット上では面白くない、笑えないなどの意見が多い。
おそらく一人より二人、二人より三人と、人数が多くなればなるほど、見ている側の想像力を必要としないのだと考える。
一人芸はある程度見ている方も頭に絵を描かないと面白くならない感じがした。
漫画と小説の差みたいなところがある。
だから見る方が「さぁ〜、楽しませてくれ」と言う感じでは本当の面白さには到達しない。
自分も頭の中で参加して、彼らと呼吸を合わせないと難しいのではないか。
フリップ芸や絵で見せるのが多くなるのは、見てすぐに伝わるからだと思う。
一人芸はクラスのお調子者が面白い事をやっているそのグループに入らなければグっとこない。
だから42歳の売れない芸人がやった事は特別にスゴかった。
教室のスミにいるような遠目で見ている子まで巻き込んでいた。
裸になりハゲも見せ、文字通り何もかも捨てている見飽きた芸があんなに価値のあるものだと知らなかった。
それをずっとやり続ける精神力は並大抵の度胸がないとできない。
一人であれだけ爆笑を集めている瞬間ってどんな感じなんだろう。
想像できない。
さぞかし気持ちいいと思うし、ある意味芸人のゴールと言ってもいい。
そう思うとそんな体験をした人っていうのも案外少ないと思う。
あともう一つ気になったのが、間寛平が厚切りジェイソンとゆりあんレトリバァを比較した時にゆりあんの見た目が勝っていると言った。
それに対して厚切りジェイソンが「え?見た目?見た目なの?」と半分本気で言っていたが、自分が風変わりな外人だと言う事を忘れていると思ったから笑ってしまった。
もっと言えば、8割見た目が大事かも知れない。
それはもって生まれた才能であって努力のしようがない。
間寛平の見た目は実は面白くない。
外見がいたって普通の人だから、その辛さをよく知っているのだろう。
そして厚切りは今回のネタの最後に「負けるが勝ち」ってどういう事だー?というので終わらせていたけど、日本人的にその言葉は字面よりもわりと意味がすぐわかるので、あまり変だと思ってもらえなかったような気がします。
そういう意味で裏目行くときはダメな方にどんどん行くんだなーって思いました。