先週金曜ロードショーでトータルリコールのリメイク版をやっていたので見ました。
原案がF・K・ディックだとか、シュワちゃんが演じてたとか、すごくゆるい記憶のまま覚えている程度で話の内容はほとんど忘れていました。
ですが、面白かったというのは印象にあったのです。
今回のリメイク版は原作にかなり忠実に作られているとウィキで見たので、期待値もグンと高まったのです。
大体、リメイクというものを見るのも初めてでしたが、大ヒットの前作と比べられるだろうし、話だって大筋が同じなんだから、リメイクほど作り手側に割の合わないものはないと思います。
話をざっくり説明すると、人類は北半球のヨーロッパに住む裕福層と南半球のオーストラリアに住む貧民層で分かれています。
それを巨大な筒状のエレベーターで繋がっているのですが、裕福層の人口が増え過ぎて、公にはしないけど南半球に住む貧乏人たちを事故とかに見せかけて殺そうとした。
という、結構設定はわかりやすい対立構造でバカっぽいです。
貧民層で裕福層を警備する最新ロボットを作る作業に追われるうだつの上がらない主人公は、興味本位で欲しい記憶を売ってくれるというリコール社に行き、違う記憶を入れようとした瞬間、実はもうすでに違う記憶が入っていてエラーが起きる。
それにより彼は裕福層と貧民層をまたにかける2重スパイだった事がわかる。
この記憶を売るというF・K・ディックの斬新な設定は面白いのですが、もっとこの危険な主人公を政府は見張っておけよと思う。
そして映像的にもおばさんの顔がまっぷたつに割れるやら、鼻から記憶装置を取り除くなんていう当時を驚かせたCGは一切でてきません。
僕的にはこれぞトータルリコールって感じがする描写なので、是非今の最新CGですごいのを見せて欲しかった。
モノマネはしたくない。
こっちが本当のトータルリコールだといういらない意気込みが見え隠れしています。
ここら辺の情熱もリメイクを作るときの障害だと思う。
そして前作はどうだったのか忘れましたが、ラストシーンがとにかくヒドい。
最後は裕福層のトップである大統領クラスの奴と小雨の中殴り合いのタイマンです。
見ててええ〜マジか〜って小声が出てしまいました。
今でいうオバマ大統領くらいの人がなんでこんなごっつい兄ちゃんと国をかけて命のやり取りをしなければならないのか。
高度に発展しすぎて車は飛んでるし、手をガラスにかざせばテレビ電話になる時代背景で最後は殴り合いっておかしいだろ。
もちろんこの映画に呆れ返るほどお金もかかっていると思います。
制作上の会議で誰もラストのこのシーンに意見を言える奴がいなかったのか。
他にも色々とツッコミどころはあるのですが、真相を明らかにすべく、一度ディックの原作を読んでみようと思います。