続きです。

そんなチキンラーメンに感動していると本格的に雨が降ってきた。
テントを張り終えて本当に良かった。
実際もう体力なんぞ残ってなかった。
スコールの様な土砂降りが降って、まだそこそこ降っていた時はガヤガヤしていたが、本気降りになったら完全に外の声が消えた。
僕も低いテントの天井を見る以外する事がなく、ビニール2枚で堪えているこの安物のテントに全てをゆだねるしか無かった。
テントに打ち付ける雨は「ドドドドドッドドドドド!」と打ち付け、このまま止まずに降り続けるのか、もしそうだとしても疲れてたし、出来る事は何も無い。
そのうちウトウトと寝てしまった。
1時間以上降っていただろうか、外ではしゃぐ子供の声で目覚めた。
通り雨だったのか、上空には晴れ間も見えていた。
テントを出てみると、外人が炊事場を占拠してバカでかい声で笑い合ってる。
このトラブルを乗り切った事によってより団結力が増していた。
場所が悪いのでトイレからはかなり遠かったです。
ご親切に手をかわかす温風機まで備え付けられている。
そこまで気を使う環境ではない。
みんな使ってなかった。
この時に腰に携帯型の蚊取り線香をつけている管理人らしき人とすれ違った。
モックモク出ている煙。
あそこまでやらないと完全ガードできないと思った。
今度はあれを必ず買っていこう。
みんな夕飯の用意をする中、僕は遠い駐車場まで戻り、そこからまたあの細い山道を車で下った。
さすがに何度か対向車とあったが、その度にスレスレでお互いゆっくりかわして行った。
ちょっとしたRVならアウトだ。
着いたの湖畔の近くにあるポロト温泉。
中にシャンプーとボディーシャンプーも常設してあると言うので、タオル2枚買って入った。
熱めの湯で狭かったが、今まで蚊に刺されたり、汗で全身ぐしゃぐしゃだったりずっと不快な気分だったのを一気に吹き飛ばしてくれた。
かなりの幸せを感じた。
こんな風呂は人生でもそうそう味わった事がない。
まだそんなに人も居なくて、これからキャンプをやっている人たちで混み合うと言う。
ここで自動販売機で水を3本購入。
また雨で閉じこめられたら、とりあえず水を確保しておけば、どうにかしのげると思った。
風呂から上がると夕焼けが終わりに近づいていた。
湖に写る夕日はキレイでしばらく見とれていた。
ここで親父の残したカメラで景色を1枚撮ったら、巻き戻しが「ギュイーーーン」と音をたてて始まった。
まだ17枚しかとってなかったから、24枚撮りにしてもあと7枚は親父が生前に写したものがあるとわかった。
これはすごく嬉しかった。
風呂上がりの開放感と夕焼けと共にその音がまるで最後の声の様な気がして、感慨深いものがあった。
本当に小さな声だが「つながった」という感覚が嬉しかった。
居なくなっても誰かがその人の記憶を持ち続ける限り、本当の死は訪れない。
続きます。
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