2014年3月13日木曜日

引っ越し9 後編

続きです。

次に住む賃貸アパートを決めてから引っ越す前に、不動産屋の営業マンと1回か2回電話のやりとりがあり、用事のついでに何となく思い出したから、もらい損ねたQUOカード3,000円は下さいと言った。
担当の営業マンからは「わかりました〜」と心良い返事を頂いた。

これが最初だった。



そこから1ヶ月の間、引っ越し準備に明け暮れ、遅くなった引っ越し業者の手配や立退料の問題やら、その他もろもろ契約しているものの解約、住所変更で忙しかったので、そんなQUOカード3,000円ごときは忘れていた。

二度目。
入居日の2日前に鍵がもらえたので、店に直接行った。
受け取った時は担当の営業がいなくて、代りの人が対応してくれたのだけど、その時もQUOカードはくれなかった。
一応、「ちなみにQUOカードってどうなりました?」と聞いた。
「ああ、その件でしたら、担当の者に伝えてポストの方へ入れるよう指示しておきます」と言われた。



まあ、担当ではないのだから、事情を聞いている訳ではないのだと思ったし、それより鍵が手に入った喜びが大きかったので深くは追求しなかった。
でも「ああ、良かった言わなかったら貰い損ねる所だった、危ない危ない、、」と安心した。

その後、引っ越し作業に追われた後、改めて思えばQUOカード3,000円ってもらってないよなと思い出した。
ポストに入れると言っていたけど、伝えてくれていないんだと思ったし、きっとあっちも忙しくてそんなのは忘れしまったのだろうくらいに思っていた。

入居してから1週間くらいたった。
契約書と家賃の引き落としに必要な書類がまだ届いていないので確認しに店に行った。
僕の方の証明書関係を出すのが遅れたせいもあって、まだ書類が出来ていないと言われたが、その時は担当の営業が店内にいた。
手ぶらで帰りたくもなかったので、「QUOカードってポストに入れてくれると言っていたんですけど、どうなりました?」と聞いた。



だけどこの時、春の引っ越しシーズンで店が混んでいて、何となくの体で済まされた。
僕もあんまり邪魔はしたくなかったので、気の弱さから逃げるように店を出てしまった。
もうすでに契約を済ませた僕にはそれほど興味がなくっていて、それよりもわんさか来店する新しい金づるに目が血走っていた。

これが三度目。

ここら辺から、こんなに何度もQUOカードの事を聞いては物乞いのようで少し情けなくなってきた。
少し腹立ったが、よく考えても考えなくてもやっぱり3,000円は大金であって、どんなに情けなくなっても絶対欲しかった。


たまに1,000円の間違いではなかったかと確認した事もある。
もし1,000円だったら面倒だからいいかなくらいに思った。
だけど店内にデカデカと3,000円と書いてあった。
実際3,000円と言う単位は大きい。
そこそこ気分を晴らせる金額なのです。



その頃にあっては大きいお金の諸問題は大体見通しがついていた。
そして切実にお金が(今もそうだが)なかったので、あの時何の価値もなかったQUOカード3,000円がどんどん無視する事にできない価値になっていた。


さらに1週間ほど待っていたが、もちろんQUOカードはポストに来なかったし、それよりもあちらが言った契約書が出来上がっている日にちはとうに過ぎている。
大体それすら、何の連絡もなかった。
連絡がないので、僕はてっきり契約書と一緒にQUOカードもポストに入れてくるのかと思っていた。
でも、ひょっとしてこれは僕が取りに行かなくてはいけないのかと思い直したが、それにしても連絡が欲しかった。
なので、休みの日に再度出向いた。

するとまた担当の営業がいなかった。

出てきたのは、明らかに昨日今日入った新人の女の子が相手をしてくれた。
すごくあたふたしていて、契約書らしきものを渡してくれた。
そこでも一応、「QUOカードどうなりました」と聞いたのだけど、女の子はテンパっていて、小声で頼りない。
「担当の者に言って、電話させます」と言ったので、ここでも仕方なく店を出た。



顔が赤かったし、あんなに一杯一杯の顔されてはどうにもならない。
それに僕もその日は休みで、もうそれ以上時間を使いたくなかった。

これで四度目。

でも受け取った書類を出てすぐの店先で見たが、振込先に関するものがない。
おかしいとは思ったが、もうこれは直接管理会社に聞いてやったほうが早いと思った。
だけどQUOカードが解決していないのです。
これだけはこの不動産屋からもらうしかない。

そしてその日、「電話させます」と言うから待っていたが、とうとう来なかった。

この時はもうくれる気がなくて、何とかごまかそうとしているのではないかと疑い始めた。
大体、一番始めに「僕今から買ってきます!」と言った「是非あげたいです」と言う態度がまるでない。





これも予想だけど、このQUOカード3,000円は営業マンの売上げからの実費なのではないのだろうか。
でないと「僕、買ってきます!」にはならない。
店側でカードを切らせているなんてウソで、各営業が契約を確定させる後押しになるチェックメイトに使っているはずだ。

次の日も待っていたが、電話は来なかった。
夕方になってこれは少しキレていいと思い、電話した。


とにかく終わらせたかった。
でも普段あまり自ら怒りにいく事がないので、どう切り出していいかわからない。
結局普通の話方になってしまったが、また担当の営業がいないので他の人が出た。
電話くれると言うから待っているが来なかった事、そしてQUOカード3,000円を強めに言っておいた。
すると僕の口調から少し慌てた様子で「必ず電話させるようにします!」と言ってきた。

ああ、とうとう強めに言ってしまった。
言ってから後悔するほうで、少し罪悪感があった。
だけどこれはもうさすがに絶対だろう。

だけど電話は来なかった。

夜の8時になっても来なくて、担当の者でなくていいから、書類とQUOカードくれたら終わりなのにと、まただんだんと腹が立ってきた。
これはもう明日がっつり言うしかないと決意をした9時頃に電話がかかってきた。

「お世話になっております〜。●●支店の●●です〜」

この声は独特で、少しゆっくりとした訓練で身につけた感じがする。
だけど即座に「申し訳ありませんでした」と来たから怒る気にならなかった。
「受付の担当の者が新人で〜」などと言い訳をしてきたが、その前からずっとあったのにと言いたかった。
「今からお伺いしますので、契約書持って行きます。
あとQUOカードも、、」

そしてこの人特有の間があって、「いえいえ、明日僕が取りに行きます」を待っている感じだった。
でももう終わらせたかったので「はい、では、お待ちしております」と返事した。

そして30分ほどしてやってきた。
不動産屋は目と鼻の先にあるので、距離的には大した事ないが、やはりわざわざ来てくれたので、「ありがとうございます」と書類とQUOカードを貰った。
隣の住居人が来たので早々に別れたが、これでこの人ともお別れだ。
対応はイマイチだったような気もするが、今回のアパートは造りがすごく良く出来てるのc安いので本当にラッキーだったから色々あったが結果感謝している。

なにより、とりあえず、、とうとう手に入れたQUOカード!

勝った!

いや別に勝ってはいない。
むしろ何度も下さい、下さいと言って、人の価値が下がった。。。






見てみると近くのローソンで買ってきた事がわかるものだった。
今買ってきたとなると、やはりQUOカードは各営業の営業費から支払っているのではと思ってしまう。
それだもの「担当のもの」「担当のもの」と回されるはずだ。

今回の件、確信して一つ言える事がある。

「言わなきゃくれなかった」

それはすごくハッキリしているので、どうも後味が悪いです。






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