2013年8月28日水曜日

お盆の出来事 10

続きです。



今回もセワポロロを買うためにこの店へ。
僕はセワポロロの大きい方しかもってなかったのですが、北方資料館の本物を見て、背が低いのと対で並べるのが、正しい事を知ったのでもう一つ買いにきた。


店内は相変わらず、しんとしていて、しばらく待っているとノソノソとご年配の奥さんが出てくる。
そうして、セワポロロの並んでる陳列棚に前に来て物色しながら、奥さんと話をしていると、これまたノソノソっとご主人が出て来る。


わりと以前来た時の記憶があり、商品が変化しているのを見ると、そこそこ売れている事がわかる。
今回、ここに2度来ました。
初めは自分のものだけを買いに来たのですが、帰る日にもう一度寄って、友達の分も買いました。
なのでトータルでセワポロロをかなり買っている訳です。
一体が木の種類にも寄りますが、約2,000円前後。
初めこの値段を聞いてかなり安いと思いました。


ご主人が庭先のブルーシートに覆われている丸太を指差して、あの木を3年寝かせるんですと言った。
3年くらい寝かしてからでないと、木が割れてしまうそうです。
そしてセワポロロの首回りに巻いている毛はアザラシの毛だそうで、これがかなり高価らしいんです。
ちょっとした切れっ端を購入するのに5万円かかるそうで、儲けなんてないに等しいそうです。
僕は5,000円の価値は十分あると思うんだが、無印に依頼されて時はいくらで作ったんだろう?
アザラシの毛以外のもので済ませれないんですか?と聞いたら、だってそう書いてあるんだもんと言われた。
「そう書いてある」と言うのはきっとウィルタ族に関する何らかの本や資料を見て言ったんだと思うんだけど、その資料は簡単に手に入らなくなっている。

ウィルタ族は戦時中は日本軍でソ連に対するスパイ活動などで従事していらしいが、戦後シベリアで強制労働させられ、生き残りや樺太から退去した人達が網走に移住してきたそうです。
でも、戦後賠償で日本軍に加担していた外国人扱いを受けて、補償の一切を受けれなかったそうで、そのあと時間をかけて有志とともに国に何度も訴えかけて、裁判も起こしたそうですが、認められなかったそうです。

記念館みたいなものもあったらしいが、来客数の減少でなくなったらしい。
ささやかですが、ウィルタ協会なるものがあって季刊誌を発行しているらしく、そこで情報を得る事ができます。

そんな感じなので奥深くこの人形について理解する事は困難になっている。
一応「セワ」とはウィルタ族で神をさし、家や狩猟の安全を願う神像だそうです。
そこまでは大体予想はつくんですが、あの頭にある角や2体1組、細かい装飾品、風貌については謎だらけです。
角に関しては、ウィルタ族の語源がトナカイから来ているらしくトナカイの角に関係があるかも。。

現在ウィルタ語を話せる人は数える程度しかいなくて、消滅寸前言語に分類されいるそうですが、北大の名誉教授の尽力によってウィルタ語の辞書があるそうです。
なので、しゃべれる人は確実にいなくなるけど、かろうじて記録には残せたって感じです。
そしてさらにかろうじて、無印で全国的に知られ、このご主人が作った愛くるしいオリジナルのセワポロロによって、僕はここまでウィルタ族に関して知識を得ることができたのだから、民族の守り神が最後の光を放ち、こういう形で歴史を守っているのかも知れない。


そんなウィルタ族の話をしていたら、レジが壊れていて会計できなくなっていた。
以前来た時は古いものでかなり年期の入ったものだったんですが、新しいもの替えたとたん壊してしまって、直し方がわからないらしい。
僕も中を開けて見て色々みたんですが、さっぱりわからなかった。


仕方がないので手書きで領収書?をもらった。
ご主人は話に夢中でなかなか手が動かず、奥さんに怒れていました。

今度はセワポロロ以外の購入も考えておきます。
いつまでもお元気で頑張って下さい。

続きます。
次でラストです。



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