ちょっと、この絵を描くのに疲れてしまって、文章の方に余力が残っていないのですが、こういうのはいくら文章で言っても伝える事が出来ない。
まずオスマン帝国の兵の配置なんですが、最前線に不正規兵を置いています。
これは昨日の記事でも書いたセルビア兵とか属国のだまされた兵と略奪に目がくらんで志願してきた兵も含む混合部隊です。
その数5万。
そしてその後ろにオスマン帝国正規兵であるアナトリア軍団がいて、不正規軍団を挟む形で配置されている。
これは捨て石に使う不正規兵が逃げ出さないようにする為で、前方の東ローマ帝国の兵士よりも後ろの正規兵が怖くて半狂乱のように不正規兵を前に突っ込ませる事となる。
この数も約5万。
さらに一番後ろはメフメト二世直轄のイエニチェリ軍団。
この軍団は奴隷のキリスト教徒の子供をを幼い頃から育て上げ、イスラム教に回教させて、妻帯も禁じさせている。
1万5千しかいないが、言わば完全なる戦闘マシーンなのであって、もちろん勇猛果敢で戦闘能力はズバ抜けて高く、不正規兵が全員ヤムチャだとすると、彼らは一人一人がベジータだと言っていい。
次に海に目を向けると、東ローマ帝国は金角湾の入り口にジェノバ居留区のガラタの塔と鉄の鎖で結びオスマン帝国の船を侵入させないようにした。
このジェノバ居留区というのは微妙な立ち位置にある部分で、どちらの側にもつかない中立を宣言している。
この都市の本国はイタリア半島の西にある海洋都市で、ここに居留区を作る事によって交易の富を築いていた。
キリスト教徒が多く住み、歴史も長く何世代にもわたって暮らしているから、オスマン帝国が脅威といえども、おいそれとこの土地を手放せないのです。
だから鉄の鎖でコンスタンチノープルと繋がっているとしても、それは東ローマ帝国が勝手にやった事と体面上はしている。
だけど、ジェノバ本国からは東ローマ帝国に数は少ないけど兵士を送っているので、本国と我らジェノバ居留区は考えが違いますとオスマン帝国に何度も使者を送って見逃してもらっているのです。
だけどそんな努力もむなしく、もちろんコンスタンチノープルが陥落した後はメフメト二世によって占領されます。
だけど絵を起こしてみて、改めてこんな要塞があったという事に驚く。
海に面した側にも城壁を築き、陸側には三重の壁でぐるっと囲むこの都市ってどんな感じだったのだろう。
なぜだか知らないけど、こんなガチガチに守られた都市に住んでみたいと思う。
最大の繁栄を誇った時には人口40万人いたという。
これは当時の都市の人口としては最大の過密度をだった。
「都市の女神」とも謳われた美しさは、海面から漂う朝もやとともに人が作ったものながら実に自然で神秘的な絶景だったそうです。
ここから2ヶ月、この1100年続いた美しい女神をオスマン帝国はぶっ壊しまくります。
以前にも書いたけど、ヨーロッパとアジアをどこで分けると言ったら位置的にもここになる訳で、黒海の出入り口であり、北はロシア、南はアフリカと 争いごとが起きる事は始めっから決まっていた地球の急所のような所だったのです。
21歳のメフメト二世が「あの都市が欲しい」と言ったのは有名な言葉ですが、国の繁栄というよりも、無邪気に欲しがった面が多くあると思います。
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