昨日の金八に続き、ここも同じ通りにある定食屋。
「定食屋そーらん」
金八同様、8年間一度も入った事がなかった。
中に入ると50代くらいの店主が出迎えくれた。
カウンターでは学生らしき子が定食を食べていた。
僕もカウンターに座り、数多いメニューの中から大盛りチャーハンを選ぶ。
注文を受けたご主人はゆっくりと玉ねぎを剥き始めた。
今から玉ねぎを剥くのかと思いつつ、ここもそんなに繁盛している訳ではなさそうなので、急な注文に対応するには仕方が無いのかと思った。
しばらくすると昨日の金八と同じで奥さんが出てきた。
何もしゃべらず、金八の夫婦とは正反対で人前で見せるほど仲のいい感じは見受けられなかった。
実際、途中でおくさんが何かしゃべって、ご主人が「う〜るさ〜い」と言い、少し不穏な空気が流れたほどだった。
それでもそんなの日常茶飯事なのか、何事もなかったようにチャーハンに使用する冷えた米を奥さんが出した。
その頃にはご主人も玉ねぎを剥き終わり、大鍋を取り出し油をたっぷり入れて手首で何度も回して馴染ませた。
火力はもちろん最大。
さあ腕の見せ所だ。
実はこの一見名も知られてない定食屋の技量を見たかったのだ。
2人前はある米を鍋に入れてしゃもじでほぐす。
カウンターから背を向けているので僕はずっと見てられた。
少したって、米がパチパチと焼けた時、初めの一振りが行われた。
米の量が多いのをもろともせず、空中を帆のように米が舞うと一粒を落とさずキャッチした。
すごい!
そしてこのご主人独自の技なのか正面で振った後はサイドでも右左と一度ずつ鍋を振った。
リズムがすごくいい。
時間が経つにつれ動きも良くなって行った。
とくにサイドのひっくり返しが見事でいいショーを見ている気分。
ブラボー!ブラボー!
そのルーチンを6回くらいやって出来上がった。
味はと言うと、正直言って今まで食べてきたどのチャーハンよりもウマかった。
完璧なチャーハン。
胡椒の配分もちょうどいい。
もう王将のチャーハンなど食べられない。
まるたけライン
★★★★★★★★★
星9です。
ただちょっと量が多くて後半キツかった、、。
そんな100点満点のチャーハンを食べていると、となりで定食を食べていた学生は「ごちそうさまでした」と言ってお金も払わず出て行った。
その後きた学生も食べ終わっては「ごちそうさまでした」と言って勘定を済ませず出て行った。
どうやら工大生と寮のごはんみたいに契約しているのだろう。
なるほどこれは何とも安定した定食屋だ。
こんなの初めて見た。
何もする事がなくなったご主人は少しダルそうに首を回してた。
奥さんに冷たかったり、覇気が無いくせにチャーハンの鍋回しは芸術的だった。
一芸秀でれば全て良し。
くやしいがカッコイイでしょう。
学生達は定食に付いてる野菜を食べないで残して行った。
それを奥さんが片付けた。
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