手稲区に住んで8年。
毎日の様に通り過ぎては行かなかった定食屋があります。
中華菜店 金八
右の看板にあるイラストTURUTURUが80年代っぽい。
元々工業大学生を当て込んで作られた定食屋だと思います。
以前、いつだだったか一度この金八を取り上げた事がある。
その時は2階の窓に下宿人募集の張り紙が張ってありましたが、どうやら入居しているようです。
少し緊張して入店してみると、タオルを頭に巻いた店主が出迎えくれた。
気さくな感じのおじさんで、3回通ったら話かけてきそうな感じがした。
「キャベツと豚肉のみそ炒め」を注文。
これはメニューの一番上に書かれていたもので、普通はラーメンとかチャーハンとか定番の料理名がくるのに、まずこの「キャベツと豚肉みそ炒め」という聞き慣れないものを押してきている。
一番初めに入った時はその店の勝負料理でいきたいので、これにした。
当然これには店主が自信があると見えて「あいよ!」と喜んで受けてくれた。
まるたけライン
★★★★★
星5です。
いえ、普通に美味しかったです。
何度も繰り返しますが、あくまで基準はまるたけの油そばなんです。
その料理を作り始めるやいなや、奥さんが出てきて「いらっしゃい」と言い、主人である店主のいる厨房でキャベツを刻み出した。
その出てきてキャベツを刻むまで、流れるような本当に無駄のない動きだった。
嬉しくもなければ悲しくもない、ただただその行動をとるといったある意味、悟りの境地のようで無心に見えた。
二人で黙々と「キャベツと豚肉みそ炒め」を作る。
途中、主人が奥さんに世間話を始める、長い夫婦生活を送ると話す事もなく無言になる関係も多いと思うが、ここは稀に見る仲が良い夫婦だった。
驚いたことに夫は奥さんの気を引こうと明らかに笑いを取りにいっていた。
奥さんがクスっと笑うと、主人はシメシメとしたり顔をしていた。
なんと微笑ましい光景だろう。
申し訳ないがそれほど繁盛していないこの定食屋で、いつもこんな温かい一コマが行われいたのかと思うと少し感動した。
そして僕は8年間住んでいて、何でここに通ってやらなかったんだろうと悔やんだ。
角の上にあるテレビではソチ冬季五輪がやっていた。
日本人女子のスノボ選手がこけて敗退した。
「な〜にやってんだよ〜!」と店主が大きい声を出した。
勘定を済ませて外を出ると少し吹雪いていて、ほとんどの音が風と寒さに飲み込まれていた。
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