続きです。
曇り空の中、当初予定していた通りに沙流川オートキャンプ場に着いた。
受付開始が午後1時で大体その時間だった。
受付の管理室があるところから見る限り、キャンパーはかなりいた。
もうほとんど中止に気持ちが固まっていたので、その光景はかなり勇気づけられた。
そして風はほとんど無風に近いくらい収まっている。
決行。
「キャンプをする」に決まった。
昨日の強風によって断念した悔しさと買った食材、何よりここまで来るのにガソリン代や体力、時間もかなり要した。
そういう思いが堰を切ったように出てきた。
キャンプができる喜びっていうのはある。
以前書いた通り、色々な条件をクリアした者だけがキャンプを出来る。
みんな当たり前の様にやっているが、幸運な人達なのだ。
決まったとなればテンションが上がった。
まずが敷地内を車で見て回る。
すっかり風恐怖症になってしまったので少し木に囲まれている場所を選ぶ。
テントとタープのフル設備を設営。
タープは赤井川村でやった時以来だ。
もう慣れたもんで風もなかったから25分くらいで全て設営は終わった。
タープも建て方をYouTubeで学んでいたので、スムーズに行った。
奥に見えるテントは昨日から連泊している人達がちらほら。
どのテントもメーカーはコールマンで、サウスフィールドの安物テントは僕らだけだった。
だけど、そんな見栄などはかなり後回しの価値観であって、今年キャンプデビューした僕らにとっては最高の設備なので、羨ましいという気持ちまで行かない。
奥の方に行くと沙流川の流れる音も聞こえてきた、看板に「熊出没注意」が掲げられていた。
確かに出てもおかしくない雰囲気だったけど、これだけ人がいるんだからもし出てきたとしても何とかなるのではないかなと思った。
こんなに早い時間(午後1時)にテントの設営が終わったのも初めてで、かなり心に余裕が出来て嬉しかった。
さっきまではもう中止で札幌に帰ると決めていただけに、この逆転的状況はより一層気分が盛り上がった。
車で近くにある道の駅まで行って食材を買いに行った。
昨日買ったもので持ちが悪そうな肉と野菜は一応食べない方向にした。
慣れない旅先で体調を崩しがちなので、無理して食べる事はないとの判断。
何か知らないけど、たまたま旧車の展示会みたいのが行われていた。
昔の車は何かと愛くるしい。
路面を見る限り、結構雨が降っていたっぽいので、ようやく止んでやれやれと言った感じで、そんな天候など特に気にしない様子で車好きな男性達が談笑していた。
一応、中には値段の付いているものもあり、隣でオーナーがそれぞれウンチク間違って踏んでしまった入れ物から出るマヨネーズみたいにブリブリ垂れ流していた。
それにしても20〜30年も前の車をここまでピカピカに保つなど、愛がないと無理なんだろう。
そしてどうして旧車って格好いいんだろう。
ほれぼれするような車体のラインやら曲線にうっとりしてしまう。
でもどれも車内がかなり狭いので、いくら見かけが良くても結局は乗り心地は現行の車とは比べ物にならないと思う。
格好よりも居心地。
これも全ては消費者が選んだ結果なのだ。
それにしても、このジムニーなんかは愛嬌のあること。
瞬時に心を持って行かれた。
今スズキで売っていたら、次買う車としてかなり迷うなぁ〜。
そんな展示会をサラっと見終えて道の駅にある小さい商店へ。
雇われのおじさんがレジをしていたので、かなりもたついたが十分な食材を揃える事ができた。
レジ近くに多くの銘柄のタバコが売っていて、ちょっとした客寄せに利用しているみたいだった。
今ではすっかりタバコを吸えなくなってしまって残念だが、パッケージだけでも欲しくなった。

再びキャンプ場に戻り、とりあえずビールで乾杯。
このビールをゴクっとのどに通した瞬間、今回の旅は成功に変わった。
いつもこの最初のビールが特別に美味しくて大好きだ。
続きます。
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