2016年8月23日火曜日

洗えない

実家に帰った時、長年愛用していた枕も持っていた。
これがないと寝れないとかで持ってきた訳ではなく、洗濯をしにきたのだ。

実家のでかい洗濯機ならきっとグルングルン回ってキレイなるだろうと思ったのです。
いままでアパートの浴槽に漂白剤を入れて1日漬けたままにしたり、無理矢理小さい洗濯機に突っ込んで回したりと、いろいろと試みてきたのですが、一向に匂いも汚れも落ちなかったのです。






そして乾かすにしても部屋干しなので全然乾かなかった。
だからきっと実家の庭先に炎天下の中置いていたらカラッカラに乾くだろうとも思っていた。

だが母さんは「それはもう、中身の羽を出さんとダメだ」と言ってきたので、そうか確かに枕表面のカバーはナイロン製で上っ面だけキレイにしても意味ないなと思った。

カッターで縫い合わせている糸を切って、慎重に羽を出していった。
それでもたまにバフっと小さい羽が舞い上がったりして、もう若干後悔していたが、母の洗うという意思は固く、やめることが出来なかった。







母の提案でネットの袋に羽を分けて洗濯機で回すこととなる。
羽は非常に細かく、鼻とかに入ったら危険なくらいフワフワと舞い上がった。
「これは確かに高いものだった」と母は息巻いていた。








羽はグースだったけど、もう20年以上も前のものなのに遜色箇所は見受けられなかった。
すげーな羽毛。
そしていざ洗濯機で回してみると、途中で母さんの悲鳴が聞こえた。
何事かと思って行ってみると、細かい羽がネットの網目から飛び出して、洗濯機にべったりと張り付いていたのです。






中止。

洗うの中止。


というか、もう、捨ててしまおうかと言ったが、母はその飛び出した羽を集めろと命令してくる。
ここまででもかなり時間がかかっているのだが、なんか意地になっていた。
洗濯機の内側にへばりついた羽を何度もこそげ落とし、水に浮いた羽を金網のボールでこれも何度もすくった。
そして再び網のネットに入れる。
網の目は細かく、洗濯機で回すと遠心力で飛び出たのだが、このネットの細い目から出てくるのに驚いた。
多少なりとも洗剤に浸かったので、もうこれは乾かす事にした。
かんかん照りの日中の太陽でこんなもの1時間もすれば、蒸発するほどに乾いてしまうだろうと思っていたが、急に通り雨が降った。


















3つに分けた羽毛はぐっしょりと濡れて、ほとんど水の塊になった。
今度こそ、もういいやとなったが、母さんは「いや、必ずうまくやる」となんか知らんが燃えていた。
そのあとも乾かし続けたが、うまく乾かなかった。
思うに、漁師とかが魚の日干しに使う網みたいに広くて満遍なく羽を広げて乾かさないと無理なんだろうな。

そのあとどうなったか、まだ母さんに聞いていない。
素直にクリーニング屋に持っていけば、よかったと言う話です。





















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