2016年6月20日月曜日

徒歩シャコ 6

二度寝したら、8時くらいで、日はかなり昇っていた。


急に暑くなってきたので、パンツとTシャツ1枚になる。
まだ朝の空気も気持ちよくて、すごく開放的だった。



バーナーの上に直接コップを置いて、コーヒーを沸かす。
キャンプの朝のコーヒーはいつも美味しい。


だいぶ頭もスッキリしてきたので、朝食を作る。
今回、卵ケースを買ったので、前回作れなかった目玉焼きを作る。


バターをひいて、生卵を落とす。
積丹の波打ち際であるこの場所で目玉焼きを焼いたのは、おそらく僕だけでないか。


家で切ってきたピクルスとシーチキン、チーズをはさみ、マヨネーズと醤油をかければ完成。
パンも焼いた方が良かったが、早く食べたかったので、そのまま挟んで食べた。

この後は道具を片付けて、しゃこたん岬の湯、午後2時発の高速バスに乗るだが、まだまだ時間がありそうだった。


しゃこたん岬の湯で温泉に入るとしても、ここの出発は11時くらいでいい。
まだ9時だ。

歯を磨いて、しばらくぼーっと海を見ていたが、時間つぶしにスケッチをした。
風が心地よく、iPhoneで音楽をかけながら、スケッチをしていると、いつまでもこうしていられるような感じだった。

しかしまだ朝だというのにこんな海岸でスケッチをするというのは、あまりにも純粋な行動をしているようで、逆に自分が怖くなってきた。





まず、スケッチという行為にお金がかからない。
このお金がかからない、時間の潰し方に少し違和感を覚える。
読書にも似た思いがあるが、こんな事をしてていいのかという焦燥感が、この違和感の根源なんだろう。
それと、不幸な事に普段は何かを支払って対価を受けなければ、満足できない精神状態になっているかもしれない。

だから1人徒歩なんかでキャンプに来てしまうと、そういった俗世界からかなり離れた感覚にはなれる。
でなければ普段「さぁ〜、スケッチでもするかな」なんてまず思わない。

言い方を変えれば、スケッチをするという行為は、かなりのストレスフリー状態だと言える。






30分くらい描いていたら、黙っていても汗ばんできたのでやめた。
1本10色の色鉛筆のペンを二つだから20色もあるのに、やたら明るい色ばっかりだったので、うまくいかなかった。
まあ、それでも初めて有効的にこのペンを使ったのでいいか。
次は水性の色鉛筆を厳選して持ってこよう。
とにかく夏場は緑と茶色の種類が多くないと難しい。
あと、もうちょっと風景画の本を読んで勉強してこよう。






絵を描き終わったら、荷物をまとめた。
時間は11時。
何も痕跡を残さず、ゴミは袋を何重にもしてしっかり持ち帰る。
すべての荷物をザックにまとめると、ドラえもんの道具のようで実に気持ちよい。


ザックを肩にかけて、勢いよく背負うと、20kgあった荷物の重さは昨日と比べて、ほとんど変わらなかった。
今回は水を持って歩かなかったので、食料が減った分の重さなんて、たかだかしれていたようだ。

前回のモラップの時も思ったのだが、去る時のテントを建てていた場所とお別れするがやけに寂しい。
それは一晩といえど、この場所は僕の土地だったという事と、なんか友達のような愛着が育っているからだ。

でも、別れを惜しんで、すこし歩き始めて振り返ると、その場所はまたどこを切り取っても変わらない風景になっていた。

さあ、帰るか。





続きます。















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