肉はいつもホルモンを食べる。
ホルモンはいい。
すぐに焼けないので、のんびりできる。
ちょっと焼けすぎても、少しコゲを取ればなんでもない。
日も沈みそうだったので、米を炊く事にする。
ラジオから流れてくる日ハムは阪神のメッセンジャーの前に、完封されていた。
相変わらずのどんよりした雲で、積丹名物の夕日を拝めなかった。
明日は曇りどころか、むしろ雨の予報が出ていた。
夜中に雨が降ったりしたら、少し危険かもしれない。
まあ、いざとなったら夜でも撤収すればいいか。
1日くらい寝ないで夜を過ごしても大丈夫だ。
焼肉で長時間使うと一度、灰を捨てなくてはならない。
でももったいないので、捨てた炭の上にコッヘルを置く。
米の方は火力不足なので、ガスバーナーに切り替える。
風が強くなったので、前室をフルクローズにした。
それでも風が入ってきて、火力が安定しなかった。
ほとんど買って使っていない、風よけのついたてを持ってこればよかった。
ソロストーブの方では鮭のハラミを焼く。
これはめちゃくちゃ美味かった。
3口くらいで食べてしまった。
まあまあ、お腹もいっぱいになってきたが、ここからが本番。
煮込みハンバーグを作ろうと思う。
ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、ニンニクは以前も書いたように、行く前に切ってジップロックに入れ、冷凍して持ってきた。
午後も6時になると自然解凍されて、ちょうどよかった。
ハンバーグはちょっといいものを買った。
あとはデミグラスソースをかければ、簡単なんだろうと思ったが、
野菜からの水分と水の量が多くて、なんぼ煮込んでもドロドロにはほど遠かった。
でもグツグツ煮込んで、ビーフシチューになったので、これはこれでうまく行った。
少し寒くなってきたので、温かいスープを飲むたびに、気持ちが落ち着いた。
炭火はほとんどなくなってきて、持ってきた炭もなくなった。
最後にスルメを焼いて、ラジオを聴きながらウイスキーをチビチビ飲んでいた。
深夜近くになって、結構、冷え込んできた。
やっぱり、海岸は気温の差が激しい。
持ってきた替えのTシャツをもう一枚重ね着して、さらにその上からヒートテックと、薄手のウインドブレーカーを着た。
下もヒートテックのタイツを穿いて、その上からジーパンを穿く。
靴下も重ねてもう一枚穿いた。
ようするに、できるだけの防寒をしたわけだ。
今回、行く前に買えなくて、ホッカイロを持ってこれなかった。
ポッドキャストを聴きながら、寝袋に鼻と口だけを出して、完全防御の姿勢に入る。
ポットギャストがスリープ機能で終了する。
残りの電源も気になってきたので、それ以上は聴かなかった。
今度は波の音だけが聞こえてきた。
そしてどこかでフォー、フォーと見知らぬ獣の声が聞こえる。
それは、遠いのか、近いのかどちらとも言えない声だった。
その波と獣の声が単調に繰り返されると、今どこにいるのか、正確な感覚が持てなくなった。
ちょっと意識を変えれば、天地が逆になる錯覚さへ起こった。
そんな感じで、意識がグルグル回るようにいつの間にか寝ていた。
3時間くらいしたらまた起きた。
すごくお腹が空いてることに気づく。
食べ残したビーフシチューをガスバーナーで温め直して、冷えたごはんと一緒に食べた。
さらにウイスキーもすこし飲むと、今度はぐっすり朝まで寝れた。
朝は6時くらいに目を覚ました。
なんか外が少し明るいような気がしたので、慌ててジッパーを開けて外を見る。

おお、晴れている。
ものすごい発色。
カモメが鳴いている。
夜明けの海はまた違う風の匂いを運んでくる。
何かがリセットされ、すべてのものにフェアな風だ。
大きく伸びをすると、こわばった全身が少しずつ機能しはじめた。
続きます。
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