まず、やることは水の確保。
キャンプ場の役目として、テントを張れる場所があるというよりも、信頼のある飲料水があるという事の方が大事だ。
ここは無料のキャンプ場だけど、水はしっかり町が管理している。
水さへしっかり確保できれば、どこでもいいのです。

新しく買った、携帯用のウォーターキャリーに2リットル分の水をパンパンに入れる。
そしてずっと持って歩いていた350ミリリットルのペットボトルにも水を入れて、さらに念のため、ジップロックにも水を入れた。
これで明日までは大丈夫だろう。
キャンパーは少なくて、3組くらいしかいなかったけど、こういう辺鄙な場所でひとり過ごすのは構わないし、逆に快適なのだが、誰かにちょこちょこ見られながら過ごすと、また別の意味合いの寂しさがくるので、わずらわしい。
ちなみにトイレはこのように綺麗です。
無料のキャンプ場の中では群を抜いて清潔だとおもいます。
さあ、テントを張る場所はどこにしようか、海岸線を見渡す。
今回はもう道具一式背負っているので、どこにでもいける。
車だったら荷物を運ぶ手間を考えて、どうしても距離が出ない。
いつもテントを張っている右の方にしようかと思ったが、それも面白みがないので、左の海岸線をひたすら歩いた。
ずーっと歩いて行くと、もうキャンプ場という感じではなくなる。
ただの浜辺だ。
水を持っていたので急に疲れてきた。
やはりモラップの時の負荷は2リットルの水を持っていたからだ。
だけど、今回の道中、水がないというのは、少しだけ不安にさせた。
水さへあれば最悪死ぬ事はないという、本能的なものかもしれない。
ゴツゴツした岩をまたいで、何度も乗り越えると砂浜の終わりまで来てしまった。
よし、もうここにしよう。
さすがに疲れた。
今までやってきたキャンプの中で一番ワイルドな場所だ。
もうキャンプ場ではないし、僕が勝手にテントを張っているだけだ。
元いたキャンプ場ははるか彼方小さくなって、確認できない。
目の前は、きっと浅瀬まで入っていったらウニとか採れるような岩場だ。
ザックから道具を出して、テントの設営に移った。
途中、カラスが気づかないうちに食料の袋を引っ張っていた。
慌てて、追い返すが、もうその袋が食料だとわかったので、少し遠めの岩場でじっとこちら見るようになった。
「カァ〜、カァ〜、」
「カァ〜、カァ〜、カァ〜」
なんか黒い不吉な鳥に見張られて、どんより灰色の空や鉛色の海をみていると、ここが賽の河原みたいに感じてきた。
でも、どんな事があっても、もうここから動ける体力はない。
ここで今日は寝るのだ。
人間、選択肢がなくなると不思議なもんで、とびきりハッピーには決してならないけど、楽になるもんだ。
完成。
すぐに食料やら道具をテントに入れた。
諦めの悪い、不憫なカラスはほどなくして去っていった。
時間は午後の3時くらいだったろうか、まずは火をおこす。
ここら辺には空洞になった変な木が多くて、これがまたよく燃えた。
風が強くなってきたので、テントの中に入って、前室でやる事にした。
また今回もわざわざイスを持ってきたのに結局使わなかった。
炭も入れて火が落ちつてきたら、
網を置く。
これは百均で売っていた排水口の網です。
いつも買っていた四角い網がなかったのです。
少し目が粗いけど、ネットでソロキャンプしている人がこれを使っているの真似した。
骨つきの鶏肉とホルモンを焼く。
少し晴れてきたので、暑くなってきた。
ビールを飲む。
今回はクーラーバックに冷凍した食材と一緒に持ってきたので、キンキンに冷えていた。
ビールを飲むとようやく一息ついた感じになった。
さっきは賽の河原なんて言ったけど、すっかり天国のような居心地の良さを感じていた。
注意深く足をさすると、結構筋肉がこわばって疲れていた事に気づく。
悪くない。
いいじゃないですか、賽の河原。
このテントは上もジッパーで開くので換気ができます。
ホルモンをかじっては、ビールを飲む。
ラジコで日ハム対阪神を聴く。
結局、スマホとビールがあれば、家で過ごすのとなんら変りない事になってしまうです。
続きます。
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