夢の話なんですが、いつも思い出そうとすると霞のごとく消えてしまうのに、今朝は割と鮮明に覚えていたので絵で書きました。
こんな感じです。
どういう状況かは夢を見た僕自身、よく説明ができません。
そもそも夢とは無意識の領域なので説明できると「無」ではなくなるのです。
でも絵的な説明はできます。
まずは黒人風な顔立ちのご夫婦がせまい病室にいらっしゃって、二人の子供を車椅子にのせている。
そして、その子供の頭部が透明なケースになっていて、中心に小ぶりな脳みそが置かれている。
そのケースの中には多少液体があったかも知れません。
彼らに決して悲壮感はなく、この現実を前向きに受け止めて人生を歩もうとする揺るぎない決意が伝わります。
僕の役柄は医者でもないし、知り合いでもない全くの他人なのですが、とにかく何らかの理由で病室を訪れて、このご家族に引き会わされているのです。
まずその特殊な手術を行ったであろう子供を見て絶句したのを覚えています。
そして脳みそが丸見えな訳ですから、多少の嫌悪感が顔に出たと思います。
その表情を0.01秒で消し去り、できるだけごく自然な対応をしようとします。
だけどその苦い顔をご夫婦達は決して見逃さず、僕の方も気づかれたのをわかっています。
むしろその表情は初めから予見していて、彼らからは絶対に見逃すものかと言う意気込みすら感じます。
ご夫婦の表情は「何かおかしな所でも?」と言った感じで、あきらかに「普通に接して下さい」を要求しているのです。
なぜならば子供達の方は自分たちが異形な者と思っておらず、実に無邪気でいるので、何も今日、今この瞬間から自分たちが他の人と違うと言う認識を背負わせたくない、問題はとりあえず先送りにしたいから空気を読めよの視線がなみなみと注がれていました。
もっと言うと、そんな役割をあなたのような私たちの事をよく知らない人にやって欲しくないとも聞こえます。
そんな気まずい空気の中、何となく病室で過ごして、どうしたもんか悩んでいると目覚ましが鳴り、現実に戻りました。
そしてシャワーを浴びているとだんだん本来の自分が戻ってきて、夢を回想していると、夢とは言え少し納得いかないなと思い始めてきました。
まず第一に、こんな人間を見せられたら、おおいに絶句していいいと思う。
子供に気遣う余裕なんてあるはずもない。
そしてもし何らかの衝突でガラスが割れてしまったら怖いので、半径2m以内には絶対近づきたくない。
さらに腹立つのがこの両親の「ん?どうかなされました?」という表情。
いやいや、どうかしました?じゃないよ、実際どうかなっているんだから。
よくもまあ、こんな顔をできるなと。
それに何でそっちにイニシアチブがあるのか、ふつふつと怒りが込み上げてくるのです。
なので当然このぐらいこわばった表情を出しても許して欲しいのです。
もうおそらくあのご家族に会う事もないので、この何とも言えない気持ちのはけ口がなく、今でもモヤモヤしています。
ただこんな極端な状況もないと思いますけど、近いのはあると思う。
取り返しのつかない不幸を背負った人に対して、投げかける言葉が何も見つからない時、僕は何ができるのだろう?
そして逆の立場になった時、決してわかり合えない気持ちを人に気遣われる事なく過ごせるのか。
もしそういった不幸を背負った人に対してできる事があるとすれば、つかず離れず、ずっとそばにいてあげる事だと思います。
言葉はあまりにも無力で、長い時間と行動でしか癒されない事が世の中に多く点在していいます。
特にこれと言った解決策など見当たらず、毎秒小さな勇気を奮い立たせて行くしかないんだと思います。
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