実家の裏にある森を探索していると、巨木が根こそぎ倒れていた。
これは多分ここ一帯に絶対的な王として君臨し続け、僕が生まれるかなり前からあったくるみの木だ。
これだけの巨木が倒れたとあれば、相当な音が出たはずなのに、母さんに聞いてもいつ頃倒れたのかはわからないと言う。
おそらく、と言うか、風で倒れたのだと思うが、地面からはがれた根の部分を見ると、人外の力と力がせめぎ合い、お互い最大のパワーで折り合いがついた瞬間がそのまま視覚化されて残っている。
こんなもん、誰も片付けるはずないから、ずっとこのまま周りの木が育ち、コケが生え、何十年後にはきっと神秘的な光景になっているだろう。
だけど、この巨木、倒れたとは言え、まだ少し根付いている部分もあるので、このままの形で生きていけないのだろうか?
ちょっと興味があります。
ただこれ、僕しか見ていないんです。
もったいないなぁと思う反面、誰にも見せたくないと言う独占欲もあります。
このクラスの「根こそぎ」はそうそうお目にかかれないと思います。
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