最近、ボンジョビにハマっています。
正確に言うとボンジョヴィか。
1周回ってなんて言葉があるが、3周くらい回って良さを感じている次第です。
言わずと知れたロックスター、ジョンボンジョヴィ率いるスーパーバンド。
彼らの曲を何も知らないと言う人は少ないと思います。
バンドの名前になるくらいだからもちろんリーダーのジョンボンジョビの為のバンドです。
元々他のメンバーは彼のバックバンドのメンバーで、ジョンがデビューするときにそのままバンドになってしまったというあからさまに彼ありきのバンドなのです。
でもどうもジョンの性格がいいのか、あまりワンマンな感じが見受けられない。
すごくクリーンなイメージがある。
このバンドは色々言いたい事があるけど、まずデビュー曲の「夜明けのランナウェイ」のビデオクリップ(今はPVって言うのかな)が衝撃的だ。
昔から象徴的に思っていた事だが、とにかくカッコわるい。
みんなライダース風なファッションに身を包み、キメ顔でぐいぐいカメラに寄ってくる。
コンセプトとしてまず 、これぞアメリカ的である事。
これはもう何となくジーンズに袖のないライダースを着るしかない。
そしてワイルドで男らしい事。
これは鍛えた筋肉とチラっと胸毛を見せるあたりに良く出ている。
(リッチーサンボラだけ生えていない)
そこにランナウェイ(逃亡者)と少しだけ反抗的なエッセンスも入れたい。
ようするにこれは何かって言うと、栄光あるフロンティア精神、自由な明日への疾走、ブルース・スプリングスティーンそのものなのです。
ジョンの出身地でもあるニュージャージーが生んだ偉大なロックシンガーであり、実際彼もブルースに憧れていたそうです。
でも彼は本物のアメリカそのものだから、ちょっと濃すぎる。
だからもうちょっと薄めてアイドル的な要素も加えたバンドがボンジョビだと思っています。
その、しゃーなしの時代的なカッコ悪さを踏まえつつ、僕が昔からずっと気になっていた事がこの映像にあります。
それは左横に小さくいるキーボードのデビットです。
彼ももちろん他のメンバー同様にライダース的な服装でいるのですが、際立って格好わるい。
まず、ロックバンドにキーボードというのがあまりよろしくない。
できればクラッシュのようなスリーピースバンド、ギター、ベース、ドラムのシンプルな構成が好ましい。
人数が増えれば増えるほどロック的要素は薄まる。
ボンジョビは5人。
だがしかし名門ジュリアーノ大学に受かっていたにも関わらず、ジョンのバンドに来た彼をバンドとしてははずす訳にはいかない。
ほとんどのヒット曲は彼の編曲によるものらしい。
あの暗闇から瞬時に神々しい光の世界に導くサウンドは、彼のキーボードの音があってこそだと思う。
しかし悲しいかなキーボードではいくらやってもロックになれないと言う事がわかる。
それは何故か?
ギターであれば、固定されている部分が二カ所で、それも必ず固定してなくてはならないと言う訳でもない。
それより何より重要なのは移動出来るところだ。
足さえ自由ならどうやってもカッコはつけれる。
しかし
キーボードを見てほしい。
両手、両足、さらにはポジショニングまで自由がない。
おまけに若干中腰になる姿勢もいただけない。
ではドラムはどうかと言えば、足とポジショニングは固定でも両手がとにかく自由だ。
荒々しい叩き方をすればもうそれは十分にロック的だし、破壊の象徴でもある。
でもブライアンはこの過酷なキーボードを、精一杯ロック的なものに昇華させようと頑張っている。
しかし、どうやってもカッコがつかない。
演奏する彼からは何故だ?、何故なんだ?と言う声が聞こえてくる。
動けない足はアキレス腱のばしのポーズしかない。
きっとこれがベストだろう。
次に手の部分なのだが、せめて左手だけでも離れたいのか、だらんと鍵盤の上に置かないのが涙ぐましい。
唯一開放的である右手でさえも鍵盤相手なので、どれだけその自慢の筋肉で力強く叩いてもストロークの距離が5cm程度だ。
あとはもう腰と頭しかないが、それもやはりそこから動けないので多少のスイングでは限界がある。
よって、これがキーボードでロックを表現する最大のものなのかも知れない。
そう言う意味で歴史的価値のある絵ではないか。
この映像はバックのセットが退廃的な廃墟っぽい感じだから、余計に汚れの無いきれいなキーボードが浮いている。
あとは言うまでもなく、ブライアンのルックスが劣っているのも条件に上乗せされている。
でもすごくいい曲で、あまり他に似たような ものがないんじゃないかと思います。
彼らの曲の中でも少し悲しいネガティブな印象があるけど、のちに出てくる名曲の下地がが垣間見えます。
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