日本シリーズというか、今回ヤクルトスワローズがすごく好きになってしまった。
北海道では日ハムばかりテレビ放送されるので、巨人はおろか、ヤクルトスワローズの選手達が動いているのなんて見れないのです。

何人も面白い選手がゴロゴロしているスワローズですが、その中でも高々と足を上げる(ノーランライアンからフォームを真似た)ライアン小川なんて水島新司のマンガに出てくるようだ。
小さい体なのに目一杯足を上げて飛び跳ねるように投げるピッチングは毎球、毎球、何度見ていても飽きなかった。
第2戦の福岡ドームで投げたけど、あのホークス打線をなんとか抑えていた。
だけどあれだけ強打者を並べられては相当神経を使ったと思う。
6回くらい投げて交代したが一杯一杯だったなりに要所要所をしっかり締めていた。
第1戦で投げた石川も小柄だったので、最近は身長の低いピッチャーが活躍しているように思う。
日ハムの谷本や武田久といい、小柄の方がなんとなく体が強く怪我がしにくいような気がする。
そして今年のヤクルトを支えたのは何と言っても川端、山田、畠山の三人。
川端が首位打者。
山田がホームラン王。
畠山が打点王。
ともう完全に漫画の世界。
いや、漫画だったらあからさまにこんな配役にできないかもしれない。

シーズン中自らの意思でした事はあるけれど、監督からのサインではなかったそうです。
日本シリーズではあまり打たなかったので僕的にはスゴさがあまりわからなかった。
そして守りがサードというのも少し嫌だ。
本当はショートとかもやれるのだけれど、サードに回されると言う事は、多分そんなに守備力がないのだと思う。
そして盗塁をほとんどしていない。
こんな不器用な2番ってあまりいないと思う。
打てなくてもソフトバンクの今宮みたいに守備がウマいだけで使われる選手の方が好きです。
川端は顔が二枚目だけにそういう所がマイナスポイント増大です。
それでもセリーグでは誰よりも打ったという称号の価値は揺るぎない。
そして4番ファーストの打点王、畠山。

まずデブで4番というのが非常に好きだ。
さらにはこの独特の沈み込むフォームもライアン小川のように何度みても飽きない。
ベテランで打率はイマイチだけど勝負強いという特徴もいい。
今回の日本シリーズでは何とかしようとしているのが一番伝わった選手です。
そして何と言っても顔立ちも良く、全ての能力が根こそぎ備わった3番セカンド山田哲人。
まず、いい所はホームラン王なのにセカンドを守っているところ。
長距離が打てるセカンドなんて井口以来だと思う。
本来なら川端がセカンドで山田がサードというのが見た目一番合っていると思うのだけど、さきほども書いたように根こそぎ能力が備わっているので仕方が無い。
打率と打点だって川端と畠山につぐ2位。
でもこれは対戦ピッチャーが山田がいるから彼らと勝負してくれた結果だと思う。
だから本年度はほぼ三冠王プラス3割30本30盗塁を越えるトリプルスリー、おまけに盗塁王という突出しすぎる成績を残した。
今までこんなすごい成績を残した選手を見た事ない。
もしかして大谷が打つ方だけに専任したらこんな選手になるかもしれないと思ってしまう。
それでもヤクルトスワローズはソフトバンクに負けた。
負けるべくして負けた。
これは単純にピッチャーの差だったと思う。
ソフトバンクは他球団で言ったらエース級のピッチャーが毎日ビュンビュンこれでもかと言うくらい投げてくるのに対し、ヤクルトは絶対的な投手がいなかった。
それでもどうだろう?確かにソフトバンクが日本一になったのだが、第3戦で放った山田の3打席連続ホームランの方が後世に残る出来事だったような気がする。
敵地で2連敗して暗い雰囲気の中、神宮に戻ってきて山田が先制のホームランを打つ。
神宮の空気が一気に変わる。
だけどすぐソフトバンクに追いつかれて、暗い空気が漂う。
でもまさかの山田が2打席連続ホームランを打つ。
だけどだけどやっぱりその後ソフトバンクに逆転されて、やっぱりダメなのか、ここまでやってもかと思わせて、山田がまた奇跡の3打席連続の本塁打を打った。
目を疑うような現実とは思えない逆転ホームラン。
これはもう事件と言ってもいい出来事で、神をも一人の才能によって従わせた感じに思えた。
本当に凄かった。
今年の野球で一番興奮した。
そして地味にその後の出来事も印象に残っている。
長嶋茂雄に並ぶ4本目となるかと言われた次の打席は元ヤクルトの五十嵐亮太との対戦だった。
五十嵐にしてみれば調子に乗っているヤクルトをこれ以上盛り上げてはならない。
当然、古巣相手ということもあるし、このスーパースター山田を封じ込めて流れをソフトバンクに持って行きたい。
結果、高めのつり球を空振りにして山田は三振。
相手バッテリーは勝負をしていたとは言えないように見えた。
五十嵐はガッツポーズをして喜んだ。
おそらくソフトバンクのファンでさえ少しトーンダウンしたかもしれない。
だが、次の4番畠山が敵討ちと言わんばかりの特大のホームランを打った。
山田一色だったこの夜に放った4番の存在感。
そして彼がいるからこそ、山田は思いっきりバットを振れる。
あのデブのダイヤモンドを一周する姿がクールでやけにカッコよかった。
シーズン中も日ハムを苦しめたソフトバンクの五十嵐は好きでなかったので、この時の悔しそうな顔は見ていて申し訳ないがスカっとした。
と、第3戦だけは神宮球場もお祭り騒ぎだったが、他の4戦はソフトバンクの圧倒的な力の差を嫌という程見せつけられた印象。
こんな強いチームに日ハムはよくやった方だと思う。
最後に真中監督は泣いてしまうというのもヤクルトの好きになってしまうところです。
まだ若い監督ではあるけど、試合中あれほど顔に出てしまう監督もいないように思う。
森、野村、星野、落合など、歴代の名将になるとどんな時も一切表情を顔に出さない。
そういった顔は選手に伝わってしまうのではないかとちょっと感じてた。
でも本当に悔しい表情は逆になんとかしてやろうと選手たちは思うかも知れない。
実際監督がしてやれる事は技術的にも気持ちの面でもほとんどないようにも思える。
シリーズが終わり、畠山がFAで他の球団に移るかと思いきや残留に決まった。
理由はヤクルトスワローズだとのびのびやれるから。
確かにヤクルトは他の球団と比べあまり厳しくないように見える。
きっと居心地がいいんだろう。
野村監督の時代でさえそんな空気を持ったチームだった。
でもとにかく今回、山田というスーパースターの誕生は衝撃的だった。
来年が本当に楽しみだし松井に続いてメジャーでバリバリ活躍してほしい。
でも僕はこの日本シリーズに限らず、今年のMVPはセパ全球団の中でソフトバンクのヴァンデンバーグだと思います。
だって結局あいつはシーズンも日本シリーズも負けなしで終わったのだから。
今回の戦いもスワローズとしてはあいつで負け2つ計算していたからこそ神宮での3連勝が絶対条件だったはず。
サファテにしてもそうだけど、こいつらが来たら絶望しか感じない。
毎年日ハム以外の日本シリーズは見ないのだが、今年は見てよかった。
やっぱり短期決戦の後がない戦いは面白い。
今年のスワローズは面白かった。
でもこのチーム、次の年あっさり最下位になったりもするルーズなところもあるから好きです。
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