2016年4月18日月曜日

CDの帯

昔からCDついている帯をとってあるのですが、




数えたら全部で144枚もありました。
中には3,000円のものや、ジャズでしたら1,000円のものもあるけど、大体30万円くらいは投資してきた事になります。
ちなみに僕の中でCDの値段は2,600円というのが定番でした。

中には帯だけ残っていて紛失したのか、手元にないものも数多くあったので、購入した時のぼんやりした思い出とともにせつない気持ちが流れました。

最近はダウンロードで曲を買っている人が多いと思いますが、歌詞やライナーノーツに続き、この帯を見る楽しさも無くなっていると思います。

帯の楽しさはやはり大風呂敷を広げたキャッチコピーを見る事です。

・時代は彼らにほほえんだ!
・今世紀最大の問題作!
・あなたは歴史の証人となる!
・誰だれと誰だれが出会った幻のアルバム!
・〜から何年、前作を上回る最高傑作!

などなど、この布団にかぶりながら大声を出している感じが大好きです。

実際CDを買う時に最後の一押しがこの大げさな一文だったりする。
CD一枚で気分がガラっと変わったり、その後の人生の帆先の方向が少しズレたりなんて事もあるので、いつも潜在的に過剰な期待をして買っていたかもしれない。





そんな隠れた若者の情熱をうまくすくい取るビジネス。
そして買って帰って来たらそんな言葉なんてすぐに忘れている中途半端な淡いユートピア。

そういった洗脳ビジネスがiTunesなどのネットでは全くない。
実際の物として手で触る自分だけの秘め事みたいな幻想をいだかせてくれない。
あるのは冷静で客観的な消費者の★の数だけだ。

鶴田がバックドロップをする時、技を受けている川田が軽くはずみをつけてジャンプしているのはわかっていた。





でもこういった数秒のモヤモヤはハッキリと意識の言葉になる前に脳内のユートピア警備隊によって抹殺してきたのです。
CDの帯にかかれたてきた謳い文句は鶴田の芸術を完成させるための川田だった。
だから数は絶対的に少なくなってきたけど、世の中にまだ生き残っている川田は非常に弱い生き物なので、できるだけそっとしておいてやって欲しい。

そしてこの絶滅危惧種はヤラセにとにかく敏感な昨今、だれも保護の方向には向かっていないのが現実であり、たとえそう言ったものの良さを残そうと言う気持ちがあっても、わかった上で対処するのはすでに気持ちが少し醒めている。

もともと面白味という付加価値なので、その味、というかウソがなくなったら文字通り味気ないものになるのは当然だ。




一番最初に買ったCDの帯はこれです。
「ロック美学! 不滅の金字塔アルバム!」
そうです、このテンションでないと!






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