最後、岡のデッドボールからの西川の満塁サヨナラホームランでもちろんヒーローは西川遥輝なのですが、ネットでも言われているように本当の立役者は二回ワンナウト満塁から先発加藤に変わって0点に抑えたメンドーサだと思います。
でもさらに僕は今シリーズ初スタメンでマスクを被った市川にMVPをあげたい。
ツーアウトになり、満塁で広島三番丸に1球目を内角のチェンジアップで落として空振りにとった。
まずは四球で押し出しが嫌なので、初球はストライクを取りに来ると思ったから丸も振っていった。
空振りにはなったものの、たまたまいいボールだったという事だから丸に動揺はないし、積極的に振って来るという恐怖心を与えないとダメだ。
満塁で落ちるボールは後ろにそらしやすいので投げる方も捕る方も大変な事ですが、それを1球目から投げさせたのが市川のリードに度胸があるなと思った。
さらに内角なので少し甘く入れば外角と違ってバットに当てられる危険性大だからすごい賭けに出ているとも思った。
そして2球目は外角の外した速い151kmのストレート。
151kmもメンドーサが投げるのにビックリもしたが、これで外角にも意識を持たせつつ、チェンジアップとの球速の差を見せておく。
3球目はまた再度1球目で空振りをとった内角の落ちるチェンジアップで空振り。
この球は1球目よりさらにホームベース手前で落ちて最高のボールだった。
そしてもちろんさっきと同じように土に着きそうな球なので後ろにそらす危険がすごくある。
その攻めの配球により、なんとなく広島がピンチのような雰囲気になった。
まだ一球もストライクゾーンに投げていない。
そして運命の4球目はこのチェンジアップなら分かっていてもそう当てることはできないと踏んだのか、市川はまた同じ内角のチェンジアップを要求。
だが、ここでメンドーサの手元が狂った。
力が入ったのか、ボールは打者の足元手前で大きくワンバウンドした。
しかし市川は身を呈してそのボールを止めた。
解説者も言っていたが打者の陰に隠れてすごく見えづらかったのに、ほぼ奇跡的な超ファインプレーだった。
ボールはミットで受けたのではなく右手の腕の部分と左手のミットで挟む形で止めた。
このタイミングってものすごい確率なのではないか。
上から被せる右手、下からはミット、そこにボールが来る。
この3方向のタイミングがドンピシャでなければ捕れないはず。
ワンバンドしたと言っても100kmはゆうに超えているボールだ。
もしこれを後ろに逸らしたら2点目が広島に入って、その後の打者も抑えれたかどうかわからない。
何より短期決戦はミスした方が負ける。
試合の流れは完全に広島に行っていた。
そして5球目はもうチェンジアップは怖くて投げれないからストレートしかない。
だから丸にもチャンスはあった。
だけどそのストレートが内角152kmの最高の球だった。
あれだけ遅い内角のチェンジアップを見せられていては丸も完全にタイミングを外された。
分かっていても打てなかったって感じだ。
振っていなくても内角ギリギリで入っている。
正直、今季のメンドーサは調子が悪くて契約も更新するかどうか怪しかったが、これで残留は決定的となったことだろう。
そしてこの市川の目立たないスーパーキャッチが日本一になれるかどうかの分かれ目だったかもしれない。
やっぱり野球はキャッチャーだ。
広島はどんなにチャンスの場面でも正捕手の石川に代打を送れない。
替えの信頼できるキャッチャーがいないからだ。
何しろWBC日本代表の正捕手でもあるから尚更だ。
日ハムは優れた同レベルのキャッチャーを二人も擁している。
短期決戦といえども5回も戦っていれば、こういうところに差が出て来る。
さあ、明日広島に戦いの場を移してどうなるか。
ホームが有利とされる内弁慶シリーズ、日ハムが王手をかけているとしても五分五分だと思っています。
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