「at The Golden Circle」というアルバムはストックホルムでのライブ音源なんですが、出す音出す音が毎回オリジナリティに溢れていて湯水のごとくわき出します。
ハラハラするとはもう録音された音源なのに、どっかで迷いが出て止まってしまうのではないかと思ってしまうからです。
ほんの少しだけ考える間はあるものの最後まで同じメロディーを吹かず、緊張感と美しさがあります。
この時期のオーネットコールマンは商業的に失敗しつつあったそうです。
それがこのアルバムで見事に復活したそうですが、商業的な失敗はわかるような気もします。
いつだったかテレビで昔の映像を見たのですが、「犯罪にならないのだったら新しいものの為に何だってやる」と眼光するどいオーネットが言っていました。
僕はその若い黒人の野心が忘れられず、時たま思い出しては熱いものを感じます。
だけど当然あまりにも実験的な事ばかりやっていたのでキャッチーさがなくなり、それが商業的な成功に結びつかなかった。
このアルバムはその実験的な彼の芸術が商業的なプレッシャーから解放されて昇華したものです。
音だけはなく何か生き物を閉じ込めたっていうCDです。
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