ふらっとブックオフに寄ったら、思わぬ掘り出し物。
リチャード・ブローディガン「愛のゆくえ」。
100円。
かなりボロボロで触るのもためらうくらい汚いので、どうせなら新しいのアマゾンから買うか迷っている。
まあ、昔の装丁を手に入れただけ100円以上の価値がある。
本は読む事ではなく、体験する事だと誰だったが言ったけど、リチャード・ブローディガンはまさにそんな感じだった。
ほとんどの著書を持っているのだがこの「愛のゆくえ」だけは持っていなかった。
理由は訳者が藤本和子ではなかったから。
この人の訳があってこそのブローディガンという声も多くある。
訳者あとがきに完全なる意訳もあるが29年経った今なお、それを改訳する気にはなれないと言うことまで書いている。
どこまでが意訳なのかはもちらんわからない。
ブローディガンの英語は中学生が習うような文法が多いからなのか、それともアメリカが持つ歴史的背景を織り交ぜながら伝えなければならないのかわからないが、僕はブローディガンと藤本和子2人の著書ぐらいに思って読んでいる。
この人の印象を一言で言えば「美しく切ない笑い」か。
最後の本を読んで以来3〜4年は経っているので、ちょっと忘れちゃったけど「そっか〜、こんな世界があるんだ」と思ったのは覚えている。
そういう事を知ると生きていて良かったと思う。
ちょっとした秘密って本当に声が小さい。
本人はそう思っていなかったのだけど、ビートニクの作家として一時はもてはやされたが、ブームが去るとすぐ消えた。
最後は48歳で拳銃自殺。
藤本和子さんはしんと静まり返った心の底から
「かわいそうなリチャード」とつぶやいたと書いてある。
今は別な小説読んでいるので、次はこれを読みます。
出会った運命を大切に100円の古本で。
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