歩き始めると、ずっしりと背中にかかる重みが新鮮な感覚になる。
前回の時よりかなり体力と徒歩力を強化してきたので、その力を見てみたい気持ちがあった。
駅を出てすぐにパチンコ屋があった。
まったくドラゴンしていない。
せめて龍に関するビジュアルが少しでもないと、ドラゴンって言ったらダメな気がする。
出玉のダイナミックな感じを出すためにドラゴンという名称を使ったのだろうが、この建物が建った時にどこで良しとしたのだろう。
年配の夫婦がちょうど入っていった。
おそらく彼らはその事に関して一つも疑問に思った事はないと思う。
だからいつもドラゴンされるのだろう。
ドラゴンを通り過ぎると市街地に入る。
やっぱり見知らぬ土地を歩くのは面白い。
倶知安は街全体が頑張って盛り上げていこうとする意識がほのかに感じられる。
住宅街がとぎれると草木はうっそうと生い茂る。
人間で言うところの20代前半という躍動感がある。
新緑は過ぎてしまったけど、その若々しさはいまだ衰えずと言った感じだ。
川はどこもキレイで、魚がたくさんいそうだし、流れも速い。
水量も多く、いわゆる川らしい川が多い。
この家の車庫の色がキレイだった。
近くにあるラベンダーに合わせたのか、いい感覚を持っている。
スーパーで太巻きを買って、駐車場のはずれで昼ごはんにする。
ここまで歩いてきて、何度もグーグルマップを見たから、電池の消耗が激しかった。
方向音痴は電池の消費量と比例する。
この分では手持ちの電源が不安だったので、念のため補充しておいた。
お腹に食料が入ったことで、少しまた元気が出てくる。
今回は国道5号線をひたすら歩くから迷わなくていいのだが、車の通りが多いので結構うるさかった。
大きな橋がかかっているこの川が尻別川。
あまり知られていないが、国土交通省が発表している一級河川の中では年間水質日本一をもっとも多く獲得している川なんだそうです。
この情報は現在この文章を打っている最中に調べたもので、この時は「あ〜、川だ〜」とアホズラしていただけである。
今は国土交通省のホームページまで言ってPDFを少し読むほど興味が湧いてしまった。
でも日本で一番キレイな川というのに、名前の最初にくる「尻」とはいかがなものか。
「尻」から「別」れたとあればもうウ◯コのイメージしかない。
いやそもそも、尻と別れるを組み合わせたらいかんだろう。
尻は半分に別れているのだから、この二文字は意味がありすぎる。
アイヌ語の「シリ・ッペ」(山の川)という音から来ているのはわかるが、こんな大失態はない。
倶知安町もこの日本一キレイというのをアピールしている感じがない。
それもこれも「尻」などという漢字をあててしまったせいだ。
この一文字がやる気を損なわせている。
これでは「私のふるさと、日本一の清流、尻別川」というポスターがあっても尻という文字が肥大するだけで格好がつかない。
地元の人は大して気にしていないと思うが、それにしてももったいない。。
ああ、興奮した。
この自衛隊の基地があるまではひたすら上り坂で、キツかった。
今回はずっと歩道を歩けたので、ポットキャストを聞きながら歩いた。
天気はもちろん回復する事はなかったが、雨も降らなかった。
だけど気温は高、く蒸し暑い。
首に巻いていたタオルは汗を吸い込んで、ぐっしょり濡れた。
この看板には見覚えがある。
ここを右に曲がると、去年カウパレードで作業していた所へ向かう。
キャンプ場まではまだ半分も来ていない。

トイレットペーパーを作っている会社を横目に少し休む。
足腰は少し痙攣してきた。
水を飲んで呼吸を整える。
辛くなればなるほど、呼吸を意識的にした方がいいと思った。
バス停を発見。
一応時刻表を画像に収めておく。
帰りもここまでくるだろうから、なんかトラブった場合はバスで駅まで帰ろう。
また、緩やかな坂道。
この少しある傾斜が辛い。
海に浮かぶ船を体に巻きつけたロープで引っ張る奴隷のような感覚だ。
思えば羊蹄山のふもとまで行くのだから当然なのだ。
登ることはあっても下ることはない。
イヤホンから聴こえてくるトータルテンボスのじゃれ合いが、しっかり意味をとらえれない。
結局、キャンプ場までの道中で人とはすれ違わなかった。
明日もし同じ行動をしたとしてもきっと、同じだろう。
あさってもその次の日も。
ようやく案内看板に到着。

軽く案内図を見るが、何にも頭に入れていない。
頭より体からのサインが多すぎる。
実はここからがまた長かった。
下手にあんな案内図を見てしまうと、到着した感覚が強くて、いつまでたっても目的地が見えてこないイライラした状況に落ちいってしまった。
この倉庫のすたれた感じがカッコよかった。
有元利夫の求めた質感そのものだった。
こんどこそ到着〜。

と思ったらここも何だか違うらしく。
さらにのぼる。
本当にしんどかった。
しかも一度、変な山道に入ってしまい、かなり遠回りしてまった。
最悪だ。
本当に足の疲労がピークになっていた。
もう泣きそうだ。
GPSがなかったら、僕なんかは遊歩道とは言え、遭難しかけない。
やっと道路に出たら、車が路駐で列をなしていた。
これはひょっとして、キャンプ場の駐車場では止めれずに溢れた車ではないのか。
やっぱり夏はどこでもこんな風に混み合ってしまうかと思った。
しかし、着いてみるとテントは2張りだけ。
しかもキャンプ場とは名ばかりの駐車場に隣接したちょっと整備された空き地という感じだった。
もちろん管理人もいないので無料だったのだが、これには少々がっかりした。
ここは羊蹄山を上る登山者が利用するキャンプ場だった。
ネットで画像を見て判断するからこうなる。
なんかまるで人の家の庭先みたいな感じがした。
とりあえず、人目をなるべく避けようと、笹やぶの方を入り口にしてテントの設営にとりかかった。
続きます。
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