まずは荷物をドサドサと車から降ろす。
でも何となく本当にここで泊まるのかどうしようか考えながらだったので、すごくゆっくりした動きだった。
でも濃霧なだけで雨も風も無かったのでタープを立て始めた。
それにあまり考えている余裕はなく、ここでテントを張って寝ること意外、これからの行動に選択肢がなかった。
シートを広げていつも通りYouTubeで学んだ一人でタープを組み立てる方法を順序よく行っていると、最近建て方を完全に覚えたので少し面白くなってきた。
だけどとにかくペグが刺さらない。
ハンマーでしつこく叩いても半分くらいで止まる。
刺せそうな場所を色々探した。
だけどどこも砂利が地面に混じっているのでほとんど無理だった。
だから角度とかキチンとつけれず、とにかく何とかかろうじてペグが刺さった部分でロープを張るしかなかった。

今回は時おり風もビューっと吹いて倒れたりとかなり疲れた。
でも何とか建った。
かなりいびつなのでイヤだったが仕方が無かった。
タープさへ建てば、たとえ雨が降っても風が吹いても中で作業がとりあえずできるからとりあえずもう安心。
風の吹く方向に車を壁にして少しでもタープにダメージがいかないようにした。
それでもペグが深くまで刺さらないので途中抜けたりして何度か修正した。
遠くから見るとこんな感じ。
左には一応キャンプ場の看板がある。
場所的には一番良かったが、広々と横たわっているであろう太平洋は全く見えない。
景色などはもうどうでもよく、お腹が減っていた。
途中釧路のコープで買い込んだ食料の中から大量に袋に入った安売りの豚の肉を焼く。
この金網は100均のもので一回使ったら捨てます。
カリっと焼けた肉を塩こしょうかけて食べた時、すごく心が落ち着いた。
音は波が岸壁に打ち付ける「ドドーン!」とだけ聞こえる。
お腹に何か入ると安心すると言うのは完全に人間の本性だろう。
幸せの判断は明日は確実に何かを食べて生きられるという確信だと何かの本で読んだ。
なるほど「食べる=幸せ」はほとんど正解なんだろう。
こんなでっかい茄子も安かったので買った。
もちろん細かく切って醤油と七味唐辛子で食べた。
そんなのんびりと旅の疲れを癒していたら隣にジムニーに乗った男性が僕と同じく一人で来た。
一番の場所は僕がとってしまったので,仕方なく看板を風除けにしてテントだけ建てていた。
ペグを叩く音をが聞こえる。
「ふっふっふ〜、、刺さらんだろう?」と僕は自分の労苦を味わって欲しい思いで焼き茄子を堪能しながらニヤニヤしていた。
ちなみに僕はこの場所でペグを2本も曲げて使い物にならなくなった。
一応アマゾンから予備で安いペグを少し買ってあるとは言え、ここで全部ダメになってしまうのではないかと思うほど地面は固かった。
カンカンカン!
カンカンカン!
カンカンカンカンッッ!
予想通りしばらくはペグを打ち付ける音が響いた。
本来ならうるさく感じるのだが、先に終わらせた優越感と人がそばにいるという安心感のダブル効果があったので実に心地よかった。
初日なのであまり盛大な事は控えて袋ラーメンのラ王を食べて暗くなってきた時点でテントに潜り込んだ。
ジムニーの兄ちゃんも何とかテントを建て終えて静かになっていた。
また波の打ち付ける音だけの世界になった。
コーヒーを湧かして飲んだりしていたが、8時にはウトウトしてきて寝袋の中に入った。
今回はブルーシートを2枚下に引いたので地面からの寒さも少し軽減されるだろう。
運転の疲れと緊張が緩んだせいで割とすぐ寝に入った。
しかし、
ブルン!ブルン!ブルッン!
バイクがこうこうと僕のテントをライトで照らしながら入ってきた。
真っ正面から思いっきり光りを浴びせられた。
脱走犯がサーチライトで照らされたベタなシーンを思い出した。
でも目が覚めた瞬間は何が起こったか理解できなかった。
予想外の事は常に起きつつある。
とりあえず恐怖が先にきて怒りが遅れてやってきた。
続きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿